肌 Category:抒情詞 Date:2014年03月01日 いろいろな人の間で ため息をするように生きてきた 夕焼けが残る高校の ちいさなグラウンドが 思い出される―― 馬鹿にされた数だけ 他人を傷つけた 迷子のように 絵の具をこぼし過ぎた教室も いまは違う子どもたちのてのひらで 塗りたくられている 〝私〟が帰る過去は 赤茶けた肌の 鈍い痛みの向こうへ去ったまま ほどけない意思の強さだけで ほつれ続けた気持ちを慰めたのだろう 河原のほうから子どもたちの声がするたび 気づきかけて放っておいてしまった 夕焼けの 白球の音を思い出す PR