詩で示せ Category:抒情詞 Date:2013年01月29日 我々の言葉は果たして無力か 震災の後、多くの創作者が、この科白をまるで 木偶人形のごとく、直情的に繰り返してしまった 「我々は無力だ」と。 ではそんな創作者の言葉をこころの拠り所にしていた 我々は果たしてどこに行けばよかったのか? どこか切り捨てられた思いにうち悩み 「当事者」でないことに、虚無な嫉妬さえしたか だが違うだろう 言葉とはそのような 時に残酷な現実の前だけにあるものではなく 現実が過ぎ去った、その後の ただ自分のための時間の中にもあるものだ ただ自分を許し、自分を傷つけた、世界を埋めよう 誰に何と言われても譲れない 確たる自分だけの世界を信じる それは果たしてどこかの誰かが告げた「無力」だろうか? 私は無力とは言わない 屈せず、ただ言語芸術の使徒としてある いつかの誰かの世界を支える、一途な、純粋な 言葉の拠り所として、強く ある PR