純粋挽歌 Category:現代詩 Date:2012年10月20日 透き通った 白い 青い 泥は こころの純粋をだけ追い詰めた 国語の教科書の紋切り型も グラウンドから聞こえてくる白球の音も 用意された 病室のスリッパでしかないのだ 病人はその上側にいる 自分自身の性圧を押し隠して 津軽女のような仮面をほどこして 影もない廊下に佇み 自らの男性器を抱え 冷たい病症を朗読する 「これが私の顔料ですの…」 欲望と追憶をないまぜにして 夜の胚胎に眠れぬ死者だと PR