静かな忘却 Category:現代詩 Date:2012年07月13日 水の音がする手のひら を差し出して 青い道の上で眠ると 救命ボートから「おーい、おーい」 ああ、助かった 何となく 私の手のひらが棺に見えていたんだ 「おーい、おーい 「君も一人か 「もし宜しければ一緒に行かないか? よろこんで きっとこの広い暗い霧色の海の上で 手のひらを差し出すことももうなくて 陽炎に包まれて 私は眠るのだ PR