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半透明なサラダ

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こだまさおりの作詞システムの考察1


 作詞家・こだまさおりの歌詞のシステムの解明のため、独自に解釈をしていきます。
 個人的に、こだまさおりさんの歌詞は「歌声の響き」と歌詞自体が呼応あるいは対応しているのでは、と思っていますが。曲はStylipSより『MIRACLE RUSH』。
 
 
>冗談じゃない、わかるでしょ(you know?)
>油断できないこの事情(good luck)
「じょうだん」「ゆだん」、「じゃない」「できない」、「でしょ」「じじょう」あたりの押韻はすぐに見えます。「だん」「だん」など同一の音韻、また「しょ」「じょ」といった近い音韻によって押韻されていることが目につきます。
 また「ーのー」が、次の「だん」の「ゆ」の導引になっているのも指摘できます。また「ぐっらー」については、「ぐ」が「ゆ」の「u」の音韻から導引されているように感じます。
 
 
>究極の選択は永遠のトラウマ
「きゅうきょくの」「せんたくは」「えいえんの」「とらうま」は下線部分に注目したいです。
 音が凹んでいる部分に、「uo」「ua」の配置がされています。前行の「ぐっらー」の「ua」が導引とすれば、そこから「ua」「uo」「ua」「uo」「ua」という音韻の配置になっていると考えられます。
 
 
>勝ち負けじゃないキレイゴト(I know)
>励ましてくれてアリガト(thank you)
「きれいごと」と「ありがと」の押韻はすぐ見えます。また「かちまけ」「はげまし」は押韻の関係になると思いますが、その場合は全体的に散らばっている「ai」の音韻が注目されると思います。
 
 
>最後には自分なんだ 覚悟決めなくちゃ
いご」は、前行の「んきゅー」からの導引でしょう。「さいご」「かくご」や「なんだ」「なくちゃ」も押韻の関係と考えられます。
 
 
>気になるサジェスチョン
「さじぇすちょん」が、前行の「きめなくちゃ」と関係があるのかが難しいところです。
「さいご」の「さ」の影響力も考慮したいですが、ここの語彙選択に「こだまさおり節」なるものがあることは間違いなさそうです。
 
 仮に「なくちゃ」→「あくしょん」→「さじぇすちょん」という流れが想定されるなら、「さじぇすちょん」は導引可能に思えます。
 しかし現時点で、ここには「あくしょん」の役目を果たすものが観測されません。よって、こだまさおりさんは母音押韻以外の要因によって、語彙を選択している可能性を、引き算的に指摘できます。
 
 また「じれんま」と「きめなくちゃ」は押韻関係があるとも言えるでしょうが、「さじぇすちょん」→「じれんま」は導引可能でも、「じれんま」→「さじぇすちょん」の導引は考えにくいため、あまり採用されるべきではなさそうです。
 
 
>理屈は 時々無力でジレンマ
>流されてみてもいいのかも?
 可能性としては音数の一致があるかもしれません。日本語は音数が合えば、韻律がある程度、押韻の代替になります。
「さじぇすちょん」を母音回帰させて「aeuo」にすれば(この場合の「ん」はないようなものと考えられます)、「じれんま」は「ieua」、それが「ながされ」「aaae」への渡しにも見えてくるでしょうか。
 あるいは「りくつは」「じれんま」など、「i-a」の頭脚押韻も想定するべきかもしれません。どこまで揺らぎを許容するか、というところに問題はありそうですが。
 
 
>運命が回りだす 出たトコ勝負ではじめるの
>心の準備のアルナシは 待ってくれない
「uueia」「aaiau」「eaoo」「ouue」「aieuo」
「oooo」「u,io」「auaia」「aae」「ueai」
 
「unmig」「mwrds」「dttk」「shbd」「hzmrn」
「kkrn」「jnbn」「arnsh」「mat」「krni」
 
 母音と子音のみに展開してみて思うのは、ほとんど規則性がないと言うこと。音数はともかく、Aメロで見せていた押韻はどこにいったのか。サビに近づくにつれ、書き方を変えているのではと思ってしまうほど。
 
 個人的な耳を頼りにするなら、「しょうぶ」と「はじめる」の「o」、また「じゅんび」と「れない」の「u」の音の響き方が気になるところです。
 
 
>輝いてここ一番 自分の直感を信じて
>受け取った MIRACLE RUSH
>いま最高の奇跡に乗り込め
 これは不思議なことですが、「かがやい」「いちばん」「ちょっかん」「しんじ」の下線部分が、妙に音が響いているような気がしてなりません。
「いて」「ばん」「じて」「かん」の交互の押韻になっていると言えなくもないですが、日本語は英語やイタリア語と違い、押韻を交互させると急速にその効果が弱まることが分かっています。
 となると、「響く音」「響かない音」という風に、音に役割があって、それが交互に配置されている可能性が考えられます。
 ここでなら「い」「ここ」「じぶんの」「じ」あたりが「響かない音」、「て」「ばん」「かん」「て」が「響く音」だと言えると思います。
 と、思いますが、それが正しいのか、あるいは別の要因が関係していないか、メロディレベルで生成されているのか、フォルマント周波数レベルで生成されているのか、あるいはボーカルの声質によるものなのか、現時点では検討がつかないです。
 ただ、長短の繰り返しのように、音の響きの繰り返しが何らかの状態で保存されているのは、恐らく確か。
 
 
 後半に近づくにつれ、不明部分が多くなってしまいました。「こうかも知れない」を散りばめたものになっているので、内容も少し雑ですね。今回は一番のみでしたが、またいろいろチャレンジしたいと思います。
 
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